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書 x フランス額装展 ~パリ便り~ が成功裏に終了いたしました。
画廊にお出でいただいた方々、ありがとうございました。
こころよりお礼申し上げます。
 
今年は春と秋の二回、日本で展覧会を開くことが出来ました。5月は一欅庵での「未だ見ぬかたち」展、そして今回はギャラリーサロンTACTでの「書 x フランス額装」展。一欅庵の作品は作意20%で無作意80%、片や今回は作意80%で無作意20%といったところです。ところで一欅庵の展示は額無しで、今回はフランス額装とのコラボレーションでした。一欅庵は展示空間自体が和の文化財であるのに対し、今回は一面白壁のギャラリーであり、それぞれの場を踏まえた展示を考えた次第です。
 
書とフランス額装のコラボレーション。
今回、始めに書があり額装がこれを受けて作品全体が完成に至りました。一般に、中味の作品が主役で額装はこれを引き立てる脇役であるという考え方があります。しかし今回の取り組みを通じて感じたのは、書が先で額装が後という順序の話と、主従関係の話は別問題であるということです。私は、額装は書を前提としてマット部分の空間を表現するアートではないかと感じています。書が文字という前提(素材)を踏まえて作品をつくるのと同様に、額装はドキュモン(中に収めるもの)を前提にその周りを作品化するということではないでしょうか。もちろん、ドキュモンの作家が自身の作品を引き立てるように額装の仕様に注文を付ける場合、額装家は一職人としての仕事を請けることになります。日本ではこのケースが多いので、特に両者を主従関係としてとらえる意識が強いように感じています。ちなみにフランスの哲学者ジャック・デリダは『絵画における真理』において、作品(=本質的なもの)と額(=付随的なもの)という二項対立に揺さぶりをかけ、作品と額の主従関係を脱構築的に問い直しています。
ともあれ、今回は額装についていろいろと考えさせられる機会となりました。少々気が早いですが、皆さま、よい年をお迎えください。
 
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 書は、古来より日本の住まいとともにありました。私たちは床の間に四季折々の軸を、長押に格言の額を掛け、色紙には詩歌をしたためて、暮らしの中に書を生かしてきました。しかし今や和室や床の間のない家も珍しくはありません。現代の住まいのインテリアとして書を楽しむにはどうしたらいいか? 和モダンの住まい、洋の住まいにふさわしい書の室礼(しつらい)とはどのようなものか? そうした問題意識がこの展覧会の出発点にありました。またそうであるがゆえに、あえて日本ではなくフランスの額装と組むことで新しい答えが見えて来るのではないかと考えました。
 ヨーロッパには確固たる額装の歴史と文化があり、なかでもフランスには額装家の国家資格制度があります。額装は “Encadrement/アンカードルモン” (額縁に入れることの意)と呼ばれ、作品の周りを取り囲むマットの部分を数十種類にも及ぶ技法を駆使して装飾します。フランスでは絵画や版画、写真、オブジェなど、ありとあらゆるものを額装して楽しむ文化が浸透しています。パリの街中には額装屋がたくさんあり、パリジャンは誕生日やクリスマスになると思い思いの品を額装して家族や恋人、友人たちにプレゼントします。
 書xフランス額装。この試みは前例のないもので、今回は新鮮な楽しみとともに初めてゆえの迷いも経験しました。そもそも額縁は内と外の空間を隔てる境界の役割を果たします。ルネサンスの建築家レオン・バッティスタ・アルベルティの「絵画論」によれば、画家は絵画を「開いた窓」に見立てています。厚い壁で四方を囲まれたヨーロッパの部屋。そこに遠近法の絵画を掛けると、まるで部屋の窓から外を眺めているような効果が生まれます。閉じた空間にポッカリ空けられた窓と、その向こうに広がる描かれた世界。絵画は、額縁がもつ窓枠としての機能によってその再現性が担保されました。ちなみに、窓や戸をはめるために四方にまわした材のことを建築用語で額縁と呼んでいます。ヨーロッパの額装文化はこのような伝統の中で発展してきました。
 片や伝統的な日本建築はどうでしょう? 建物は柱と梁で組まれており、空間を「囲い込む」壁はありません。ふすまや障子、屏風や御簾が大空間を「仕切る」だけです。しかも絵画はその仕切りの上に直接描き込まれました。手前の間のふすまから奥の間のふすま、さらにその奥の間のふすまへと仕切りは重なり合いながら奥へ奥へと続きます。日本の書はこうした伝統的な室礼の中で生きてきました。
 壁に空けられた窓の向こうに広がる遠近法の世界と、仕切りに描かれたフラットな景色が奥へ奥へと重なる世界。この歴然とした両者の違いを前提として、書をフランスで培われた額装のエスプリと如何に融合させるか。試行錯誤を続けながら今回展示した20点に到達しました。たくさんの方々にご高覧いただきたく願っております。
 
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書 x フランス額装展 ~パリ便り~
 
と き:2014年11月27日(木)~11月30日(日)
    11:00~19:00(会期中、作家在廊予定)
ところ:ギャラリーサロン TACT
〒104-0061 東京都中央区銀座5-9-14 銀座ニューセントラルビル5F
TEL 03-6228-5345

詳しい情報は下記をご覧ください。

”展覧会情報”
 
 


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 このたび11月27日から30日まで、書家・中嶋宏行と額装家・光山祥子による 書xフランス額装展 〜パリ便り〜 を開催いたします。
 書家・中嶋宏行はこれまでフランスやイタリア、ドイツなどヨーロッパ各地で個展やパフォーマンスを行っており、2006年にはフランスのアヴィニョン・フェスティバルに招待されパフォーマンス「月」を発表。昨年はパリのマレ地区にある現代アートギャラリーで個展「禅のかたち」を開催しました。
 額装家・光山祥子は2003年に渡仏してパリで額装を学び、フランス額装の国家資格C.A.P Encadreurを取得。2007年に帰国して以後、芦屋を拠点に額装家としての活動をはじめ、銀座や大阪などで個展を開催しています。
 今回の展覧会では、中嶋宏行が今年6月にパリで制作した新作20点を、光山祥子がフランスのエスプリに満ちた額装で仕立て上げます。書にフランス額装という、これまでに前例のない初めての試みであり、多くの方々に観ていただきたく願っております。
 
書xフランス額装 展 〜パリ便り〜 
 
と き:2014年11月27日(木)〜11月30日(日)11:00〜19:00
    (会期中 作家在廊予定)
ところ:ギャラリーサロン TACT
    〒104-0061東京都中央区銀座5-9-14
     銀座ニューセントラルビル5F TEL 03-6228-5345
 
 

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上:「風」2014年 画仙紙に墨 17x23cm(外寸37x43cm)
中:「風虫」2014年 画仙紙に墨 19x27cm(外寸35x43cm)
下:「風」2014年 画仙紙に墨、金 17x35cm(外寸37x55cm)

 
 
 


いま、フランクフルトです。
9月19日、日本語普及センター主催のイベントが間もなく始まります。
ようやく展示の準備が完了して、後は夕刻のオープンを待つばかり。
この緊張はいくら経験しても慣れません。
今日からワークショップにパフォーマンス、そして展覧会(9月19日〜10月19日)と続きます。
 
“ FORM DES ZEN/禅のかたち ”
 
と き
9月19日 15:00 ワークショップ
9月19日 19:00 オープニング、パフォーマンス
9月19日〜10月19日 作品展示
ところ
Japanisches Kulturzentrum gGmbH
Rossmarkt 13, D-60311 Frankfurt am Main GERMANY
 
 
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花 2014年 画仙紙に墨 17x34cm
 
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水 2014年 画仙紙に墨 17x34cm
 
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風 2014年 画仙紙に墨 17x34cm
 
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空 2014年 画仙紙に墨 17x34cm
 
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花 2014年 画仙紙に墨 34x17cm
 
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月 2014年 画仙紙に墨 34x17cm
 
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風 2014年 画仙紙に墨 34x17cm
 
 

 
 


 
9月11日夕のパフォーマンスは、ドイツのジークブルグでした。
会場は、“ Zeitraum ” in der Diakonie です。
 

Diakonieはドイツ全域で社会福祉活動を展開する教会ネットワークのひとつで、“ Zeitraum ”とは、” Time and Place for Meeting “、つまりボランティアにかかわる人たちが多く集う拠点施設です。
主催はジークブルグ独日協会で、創立20周年を記念を迎えた今回のテーマは、“ VON HERZ ZU HERZ / こころから心へ ”でした。
 
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9月にドイツ二都市で開催されるイベントをご案内します。
 
9月11日〜9月14日 
SIEGBURG/ジークブルク
独日協会20周年、ジークブルク市950周年を迎えての記念イベントです。
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心 2013年 34x44cm
 
“VON HERZ ZU HERZ/こころから心へ”
と き
9月11日 19:00 パフォーマンス、9月11日〜14日 作品展示
ところ
Zeitraum in der Diakonie
Ringstraße 2, 53721 Siegburg
DJG Siegburg:
http://www.djg-siegburg.de/veranstaltungen/veranstaltungen-2014/
Diakonie:
http://www.diakonie.de/

 
 
9月19日〜10月19日 
FRANKFURT/フランクフルト
フランクフルトの日本語普及センター主催のイベントです。
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空 2014年 17x34cm
 
“FORM DES ZEN/禅のかたち”
と き
9月19日 19:00 オープニング
9月19日〜10月19日 作品展示
ところ
Japanisches Kulturzentrum gGmbH
Rossmarkt 13, D-60311 Frankfurt am Main
Japanisches Kulturzentrum:
http://www.japanisch-kulturzentrum.de/

 
 


NEWS TOKYO/都政新聞(2014年8月号)にインタビュー記事が掲載されました。
 

「 書は心の動きを映し出した時間美 」
※ 上をクリックすると記事をご覧になれます。
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あらためてインタビュー記事を読み返してみて、自分自身、近ごろ手で文章を書かなくなったなと思いました。
手書きの文字は記号としての文字情報に加え、その書きぶりに書き手の心情が上乗せされます。手書きから縁遠くなると、心情を文字に乗せる感性が失われ、同時に受け手がそれを読み取る感性も失われていきます。そしてついには文字はただの記号になってしまう。これは明らかに退化であり、とても残念なことだと思います。
そういう時代だからこそ、書家の出番が来ているのかなと思い至りました。
 


去る8月7日、東京・溜池山王のフレンチレストラン、
ラ ロシェルにて「感謝と伝承3」が開催されました。
猛暑の中、お出でいただいた皆さま、本当にありがとうございました。
こころよりお礼申し上げます。
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満席のお客様に見守られ、パフォーマンスは「風」の一字を選びました。
 
風はどこから来たのか、誰も知らない
風はどこへと去っていくのか、誰も知らない
過去も未来も手の届かないところにある
今吹き渡っている風を頬に感じ、この一瞬を精一杯に生きる

 

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続いてディナーがはじまり、坂井宏行シェフのパフォーマンス。
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黒毛常陸牛サーロインの竹皮包みローストをお客様の前で自ら切り分けます。
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無事に宴もお開きとなり、祭りの後の静けさの中で。
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書家として本格的に活動を始めた1999年より現在まで、
その時々で制作してきた作品37点を時系列で紹介しています。
どうぞご覧ください。
 
下をクリックしてください。 
”ウェブギャラリー”
 
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今年もフレンチレストラン、ラ・ロシェルにて「感謝と伝承」が開催されることになりました。真夏の夜のひと時、坂井宏行シェフの特別メニューと私のパフォーマンスでお楽しみください。
皆さまのご参加、こころよりお待ちしております。
 
「感謝と伝承 3」
と き:2014年8月7日(木)18:30 開場
ところ:ラ・ロシェル山王 東京都千代田区永田町2-10-3
    東急キャピトルタワー1階
お一人様 15,000円(フリードリンク、税・サービス料込み)
 
ご予約、お問い合わせはラ・ロシェル山王まで 担当:増渕、井野川
TEL 03ー3500ー1031
 
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5月に開催した東京・西荻窪、一欅庵での個展「未だ見ぬかたち」。
会場にお出でくださったmaquotさんが展示風景をスライドショーに編集してくださいました。
 

Photo and editing by Maquot Project 

 
maquotさんはこれまでアーティストの展覧会を数多く取材し、その様子を動画で紹介されています。
www.youtube.com/results?search_query=maquot”
 


皆さま、個展「未だ見ぬかたち」は5月18日をもって終了いたしました。
会期中、たくさんの方々にお出でいただきありがとうございました。
心よりお礼申し上げます。
 
今回は昭和モダンの和の住まい、「一欅庵」での個展でした。
差し込む朝日、昼下がりの陽光、ほの白い薄暮、宵闇の灯り・・・
移り行く光とともに、刻々と表情を変えていく書の景色がありました。
 
中嶋 宏行

 
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